猫の避妊手術って必要?手術の際に気をつけることや動物病院の費用について獣医師が解説!

why you こんなお悩みありませんか?

✅  猫を飼い始めたけど、避妊手術をおすすめされた。
✅  猫の子宮を取るのは、なんだかかわいそうに思える。
✅  猫の避妊手術は本当に必要なの?
✅  猫の避妊手術をしたくないと思っている。

what この記事をよむとこうなれます

✅  猫の避妊手術をする理由。
✅  猫の避妊手術のリスクと、その上で最適な選択ができるようになる。
✅  猫の手術をする際に気をつけるべき点。
✅  猫の手術に対する不安が解消される。

目次

猫の妊娠について

猫の発情周期は、日が長くなる2月〜4月の春にかけてです。また、人工の光があれば発情が起こり、妊娠が可能です。猫は交尾排卵を行い、すぐに妊娠する可能性があります。

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猫は放っておくと増えるんです

猫は放っておくと、気がついたら子供が増えていきます。

4ヶ月で妊娠可能になり、一度に生まれる子猫の数は6〜8頭ですが、これを放置すると、4ヶ月ごとに新しい子猫が生まれます。半年ごとに4頭の雌猫が出産すると、3年で約3000頭に増える可能性があります。

対策が行われない地域では、猫がすぐに溢れかえることになります。都会では猫の数が減ってきていますが、地域全体としては、外にいる猫は避妊や去勢をして増えないようにすることが大切です。

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猫の避妊手術ってどんなことをするの?

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卵巣子宮摘出術

卵巣と子宮を摘出する手術です。これにより、子宮と卵巣の両方を取り除くことで、妊娠や発情の心配がなくなり、子宮の疾患も起こりません。

卵巣摘出術

卵巣だけを摘出する手術です。この手術により発情が起こらなくなり、妊娠の可能性がなくなります。ただし、子宮が感染を起こす可能性があるため、可能であれば卵巣子宮摘出術が推奨されます。

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卵巣は摘出しないと発情します!

子宮だけとれば、妊娠しないと思う方もいると思いますが、卵巣は摘出しないと、発情をします。そうなると、発情するし、子宮の縫合部位が膿んでしまい膣炎を起こしたり、卵巣嚢腫が起こってしまうことがあります。
また、手術時期にかかわらず、乳腺腫瘍の予防効果がないので、子宮卵巣摘出術をおすすめします。
避妊手術をする時に、獣医さんに確認して、卵巣を摘出をしてもらうように確認しましょう。

猫の避妊手術で気をつけたい、メリットとデメリット

猫の避妊手術では、いくつかのメリットやデメリットがあります。しっかり理解して、愛猫の将来のために選択をしていきましょう。

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メリット

一番のメリットは、もちろん、猫の避妊手術の目的である、妊娠の心配がなくなることです。また、将来起こりやすくなる乳腺腫瘍や子宮蓄膿症などの心配がなくなります。

猫の乳腺腫瘍は約90%が悪性で、不妊手術による予防効果は、6ヶ月までが91%、7〜12ヶ月が86%、13~24月齢までが11%、24ヶ月以降ではほぼ予防効果がないとされています。

猫の避妊手術のもうひとつのメリットは、地域の猫が増えるリスクが減って、トラブルや殺処分にまわる猫の数が減り、結果的に動物の命を助けることにつながる、社会貢献的なものです。

獣医師 福井利恵

猫の乳腺腫瘍は90%以上悪性です。
不妊手術による乳腺腫瘍の予防効果をまとめておきますね。

猫の避妊手術による乳腺腫瘍の予防効果

6ヶ月まで:91%
7〜12ヶ月まで:86%
13〜24ヶ月まで:11%
24ヶ月以上:ほぼ予防効果なし

デメリット

不妊手術後の一番大きな問題は、太りやすくなることです。

これは、エストロゲンなどの性ホルモンバランスの不均衡、食欲増進や代謝の変化などが原因です。また、食事によっても太りやすくなることがあるようですので、まずはフードを適切に選ぶことが大切です。

猫の避妊手術の短期的、長期的な注意点

短期的な注意点
・全身麻酔の影響(アレルギーも含む)
・術後感染症(まれ)

長期的な注意点
・体重が増えやすくなる(肥満)
・皮膚病、被毛の外観の異常
・特定の病気の発生率の増加
・縫合意図によるアレルギー反応
・支給・卵巣の断端肉芽腫
・発情が戻る(卵巣遺残症候群による)

獣医師 福井利恵

避妊手術は、麻酔をはじめ、リスクがありますので、それらをしっかり理解し、行うようにしましょう。もちろん、獣医師はこれらが起こらないよう、最善を尽くしています。

猫の避妊手術とリスクについて

手術にはリスクも伴います。麻酔によるトラブルや、手術後の傷口の感染などが考えられます。手術は健康な猫に対して行われるため、獣医師は非常に慎重に手術を行います。

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麻酔のリスク

麻酔が効かなかったり、麻酔から安全に醒めないリスクです。一般的に動物病院では、麻酔をして大丈夫かどうか、血液検査やレントゲン検査などを行い、判断します。

内出血

お腹を開けた時に、切れたところから内出血、
縫合部位の内出血があることがあります。

結紮不十分や、過索引による血管の破裂など技術的なものや、血液凝固系疾患の存在が原因となります。

術後の感染

手術のあと、傷から菌などが入って感染することがあります。動物病院では、手術後に抗生物質を処方されることが多いので、必ず飲ませましょう。

手術後の経過観察で、獣医さんにしっかりみてもらいましょう。

尿失禁

子宮断端の癒着、肉芽腫が形成されたり、膀胱括約筋の働きを妨げることによっておしっこがもれてしまう、ということが起こることがあります。

尿管結紮

子宮体と尿管を一緒に結紮してしまうことをいいます。

断端腫、断端蓄膿症、卵巣遺残

プロジェステロン濃度が上昇しているときに起こることがあります。残存卵巣による場合と皮膚炎治療などのためのプロジェステロンの投与などが原因となります。残った糸が原因となって炎症が起こることもあります。

内因性の場合は、残存卵巣を確認し、すべて取り除く必要があります。

手術後の痛み

手術後、しばらく痛みが残ることがあります。鎮痛剤をもらって、痛がった時にあげるようにしましょう。
人で手術をしたことがある方はわかると思いますが、お腹を切ると、しばらく痛みが残ります。

避妊手術の費用はいくらする?

手術費用は2円〜3万円くらいと推測されます。

手術費用は病院によって異なりますが、大体2万円から3万円程度が目安です。その他に検査費用や麻酔代、入院費用が加算される場合が多いです。

費用はその病院によると思いますので、調べてみましょう。

猫の避妊手術の費用面で気をつけること

猫の避妊手術でかかる料金を、確認しないまま手術に入ると、その後の入院費が思った以上にかかったりして、トラブルになるケースがあります。必ず、総額いくらくらいかかるのかを動物病院で確認してから、手術に臨みましょう。

費用がかかる病院とリーズナブルな病院の違い

猫の避妊・去勢手術だけ条件により安く設定している病院もあります。

麻酔の種類や手術の形式による場合もあります。
ネットや電話などで料金や手術の内容を問い合わせて確認してみましょう。

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補助金を活用する

一部地域では避妊手術の補助金が提供されています。これは保護猫など特定の条件に該当する場合に利用できることが多いです。地域の補助金については事前に調べておくと良いでしょう。

猫の避妊手術を行うのに良いタイミングで気をつけること

現在、日本で行われる避妊手術は、
昔から行われてきたのは、永久歯が生え揃う6ヶ月齢くらいと言われていますが、

「早期不妊手術」は2〜3ヶ月齢で行うケースも、あります。

早期不妊手術は、動物の肉体的・精神的な負担が軽く、手術を行う獣医師にとってもやりやすい手術のようです。

米国のアニマルシェルターでは、早期不妊の手術をほぼ100%取り入れています。幼齢動物の手術の時は、素早く行い、低体温症と低血糖症に注意する必要があるので、獣医師も気を付けることが変わります。

動物の性質からいうと、動物種が違いますが、筆者自身、昔養豚場で行っていた去勢手術は、生後1週間程度で行っていたので、早期の手術は回復力が高いことを体験しているので、この議論はよくわかります。同じく、離乳まで待った方が良いとか、早く行った方がダメージが少ないなどの意見がアメリカ型とヨーロッパ型でわかれていました。

猫の避妊手術後の過ごし方で気をつけること

手術は、日帰りになることもあれば、1日〜数日の入院になることもあります。
動物病院で確認しましょう。

手術後は、猫がカラーや特別な服を着用して傷口を舐めないようにすることが一般的です。

おうちへ帰ってカラーをしている場合、暮らしづらいので、食事などのサポートをしてあげましょう。

心と体がダメージを受けて、元気をなくしている場合もありますから、やさしくケアするようにしましょう。

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術後に抜糸を行う場合

抜糸の時に動物病院へ行く場合、

病院によっては飼い主の希望によっては、抜糸まで預かってくれる場合もあります。

避妊手術はかわいそう、という方へ

女性からこういうお考えをお聞きすることが多いです。
もし、自分の娘が子供を産めない体になったら、と想像すると、いけないことをしているような気がしてしまうでしょう。

家でオスと一緒に暮らさないで、絶対に、家の中から出なければ、妊娠しないでしょう。ただし、子宮関連の疾患のリスクは、しない場合に比べて、高まります。発情も毎回起こりますから、行動が落ち着かなかったり、大きな声を出したりということはあり、近くにオスがいたら、ストレスになることが多いようです。それを受け入れた上で、しないという選択肢もあります。

今回、日本で新しく承認された薬(アグレプリストン製剤)で人工流産をさせるものもあります。

この薬は、妊娠維持に必要なプロゲステロンを拮抗し、プロゲステロンの作用を抑制し、流産を誘発します。

367頭において有効性は97%程度認められています。(海外データ)

しかし、人工流産自体も、動物にとって良いものなのかもわかりません。
どうしても避妊手術をさせたくない方は、詳しくは、取り扱いがあるかどうか、かかりつけの動物病院へ問い合わせてみてください。

猫の避妊手術を行うにあたり気をつけること

避妊手術は全身麻酔を伴うため、麻酔のリスクを理解した上で進める必要があります。
日帰りか入院が必要かは、病院の方針によって異なります。

手術後は痛みが伴うこともあるため、痛み止めの処方が必要になる場合があります。
あとは心のダメージがある場合があるので、食欲が落ちるかもしれません。

猫ちゃんと一緒に健康に楽しく生きていくために、避妊手術をすることを決めたと思います。そのことを理解してしっかりと愛を持って、責任を持って一緒にくらしていくようにしてくださいね。

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多頭飼育の場合は一緒にしたほうが良い?

複数の猫ちゃんを飼っている場合は、一緒に避妊手術を行うことが推奨されます。これにより、互いに影響を及ぼす性行動や不意の妊娠を防ぐことができます。

 

猫の避妊手術に関わる心と体のおすすめケア方法

猫の避妊手術をしたあと、本猫は体の痛みを感じています。

アニマルレイキという自然療法(手当て療法)で、痛みを緩和したり、心のケアを助けることができます。また、傷の治りもよくなるという声をいただいておりますので、周術期に使うことができます。

※アニマルレイキは補助療法であり、医療の代わりになるものではありません。あくまでも、回復の補助として扱ってください。

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まとめ

猫の避妊手術には、乳腺腫瘍などの将来起こりうる病気を予防するメリットと、手術リスクや肥満などのデメリットがあります。それぞれを理解し、何が大切な愛猫との今後の生活に大切なのか?をよく考えて、不妊手術をするかどうか、選択する必要があります。
かかりつけの獣医さんとよく話して納得して、決めてください。

今すぐ、できることをして、不妊手術後の早期回復を目指しましょう。

アニマルレイキは一部の動物病院やご家庭でも使われていますが、苦痛を和らげ、リラックスさせる効果が見られています。手術後は、トラウマになって動物病院を嫌う猫も多いのですが、アニマルレイキを体験した動物は、フレンドリーなで平和的な診療がされています。

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アニマルレイキがあれば、周術期の痛みを緩和し、自然治癒力を高めることができます。

手術後の傷も、きれいに治るとご感想をいただいています。

以上、「猫の避妊手術について気をつけること」の重要な情報をお伝えしました。猫との長い関係をより良いものにするために、適切な選択を行い、愛情を持ってケアしていくことが重要です。

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CLINIC NOTE 2006 Mar No.7 インターズー
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この記事を書いた人

こんにちは。
獣医師の福井利恵です。

私には夢があります。

「動物と人が互いの幸せを思い合う最高の関係」

を世界に教え、世界を変えることです。

私は獣医師として
畜産や動物病院で
働いていましたが、

治療は抗生物質などを
使っての対症療法で、根本的に治らないことに
ジレンマを感じていました。



そこで、アニマルレイキ®を開発しました。

動物病院でのアニマルレイキ®️での手当て治療

アニマルレイキ®は、
動物の健康と幸福を
促進するための
ホリスティックな療法で、

自然治癒力を高め
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アニマルレイキで癒されるジョニーとぽち

私は動物の病気の原因は、
飼い主さんにかかっていることを知り、

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と知りました。

私はこのことを
実際の原因療法として確立し、

世界に伝えてペットと飼い主さんの
双方に幸せになってほしいです。

アニマルレイキ®を通して、
20歳を目指す飼い主さんと
ペットのお役に立ちます。


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私の愛犬ジョニーは先日お別れしましたが、
21歳2ヶ月の大往生でした。

私とジョニーは
お互いの幸せを思い合うことで、
ジョニーが
「もっともっと長生きしたい!」

そう言ってくれたのです。 

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